光学センサ測定によるワイン用ブドウの選別
フラウンホーファーIOSB(オプトエレクトロニクス・システム技術・画像処理研究所)は、光学センサを用いたワイン用ブドウの選別ソフトウェアを開発しました。糖分子と光の屈折率の関係から形状と色の解析を行い、異物認識だけではなく色味により熟成度を測定。ワインに最適なブドウの選別を簡易に行うことが出来ます。
小惑星の軌道偏向モデル
高速動力学を扱うフラウンホーファーEMI(エルンスト・マッハ研究所)では、高速でロケットのような重質量物体を衝突させ中サイズの小惑星の軌道を逸らす方法を、実験モデルにより検討しています。振り子とアルミ弾丸の衝突を高速カメラとレーザー干渉計で測定。ロケットの運動量の伝達だけでなく、衝突時の小惑星の材料欠損による反動が小惑星自身の軌道を変更するターボチャージャーの役割を持つことが確認されました。
より正確な樹脂材料試験の確立
フラウンホーファーLBF(構造耐久性・システム信頼性研究所)は、一点荷重ではなく多軸荷重がかかった場合の応力を予測出来る樹脂材料試験を開発しています。射出成形により様々な樹脂材料の試験片を作成し、液体を試験片に流し込み圧力が内部から均一にかかる状況などを再現。より正確な材料の寿命や疲労予測が可能になります。
電子走査アンテナを用いた船舶用レーダシステム
フラウンホーファーFHR(高周波物理・レーダー技術研究所)は、高送信電力が必要な従来の回転アンテナ型のレーダシステムの代替として、電子走査を用いた船舶用レーダシステムを開発しました。干渉信号処理を用いて障害物の大きさ、位置、距離を迅速に計算します。省電力であるだけでなく、リニアアレイ配置で維持費を抑えたシステムです。
ミニソーラーセル付きセンサモジュール
フラウンホーファーIMS(マイクロエレクトロニックサーキットシステム研究所)は、 特定用途向けIC(ASICs)上にミニソーラーセルを組み込んだセンサモジュールを開発しました。外部電力の要らないワイヤレスセンサネットワークとして、農牧地の湿度や日照などのデータの取得、送受信を行う農業用システムに応用していきます。
自由度の高いポストプロセッシングが可能な撮像システム
フラウンホーファーIIS(集積回路研究所)は、ポストプロセッシングにより被写界深度や遠近感を任意に決定出来る撮像システムを開発しました。30cm四方の枠にアレイ配置した16個のカメラで撮像された画像から、対象物までの距離をソフトウェア上で計算し、画角や被写界深度を変更することが出来ます。
振動センサ付き在庫管理用無線クリップ
フラウンホーファーIZM(信頼性・マイクロインテグレーション研究所)は、遠隔からでも製品の在庫数を正確に把握するための在庫管理用無線クリップを開発しました。無線クリップは無線モジュール、マイクロコントローラー、バッテリー、マイクロ振動センサからなり、保存されたIDデータを定期的に中央管理システムに送信。振動センサで製品の動きを検知し在庫データ内で他からのアクセスをブロックすることにより、オンラインとリアルショップでの購入が同時に行われてしまうような問題を回避します。