E³プロダクション

高効率ー排出ゼロー人間工学

「最小の資本投入で最大の利益」から「最小の資源投入で最大の付加価値の創生」へ

フラウンホーファー灯台プロジェクト「E³プロダクション」

イノベーションを後押しする生産技術の活用

欧米のどの先進国にも、ドイツほどものづくりに関連した経済活動を行っている国はないでしょう。ドイツの就業人口の半分は製造関連の仕事に就いています。ドイツが数十年で築き上げた生産技術の強みとそのパイオニアとしての地位、そしてその関連研究を守ることはドイツにとって重要な課題です。また欧州の視点から言うと、この地位は世界へと拡大される必要があります。

ドイツのこの競争の優位性を将来的にも維持しようとするならば、エネルギーと資源がより乏しく、より高くなるこの時代に、少ない資源から最大の付加価値を生み出す方法を見つけなければなりません。資源を重視すれば、未来のものづくりはより持続可能なものになり、製品、技術、生産システムに変化が現れるだけではなく、ものづくり企業にとっては新しい運営への転換を意味します。材料を無駄なく有効活用し、それを循環経済の中で再利用し続ける、これが未来のものづくりの重要な特徴です。フラウンホーファー研究機構は資源効率の高い生産、新しい原材料を用いない生産、インダストリー4.0、都市部のものづくり、未来の工場労働現場というテーマで、この課題に取り組んでいます。

ドイツのものづくりを持続可能なものにすることが重要です。そこに必要なのは仮説に基づいただけのソリューションではありません。長期的に見ると、「最小の資本投入で最大の利益」から「最小の資源投入で最大の付加価値の創生」へとパラダイムシフトが必要になります。

 

灯台プロジェクト「E³プロダクション」の目的

総体的な視点から見ると、人間工学に基づき、かつエネルギー・資源効率の高い生産が行われる排出ゼロのE³工場内における材料、エネルギー、情報の流れをよりよく計画、実行、モニタリングするためのソリューションを研究することが目的です。これは未来の生産プロセスすべてに必要な統合的ソリューションの実行やシナジーの有効活用に依存します。作業負荷が高く、

このプロジェクトの目的は、ものづくり、工場、ひとの総合的な視点から、将来的に製造業がより総合的なアプローチを活用し、E³工場(エネルギー・資源効率の高い生産、排出ゼロの工場、ひととものづくりの関わり、これらが達成された工場)を実行するために、いかにして材料、エネルギー、情報の流れをまとめ、計画し、管理できるかを研究することにあります。この目標設定に際しては、より少ないエネルギー・資源を投じても、同じまたはより高い生産高が得られるというすべての将来的な生産プロセスが実現され、またそのプロセスが評価・実行できるよう計画する必要があります。

灯台プロジェクト「E³プロダクション」は、新しいコンセプトやデモ機を評価するためのE³の手法およびツールの開発から始まります。そのコンセプトやデモ機は、次のフェーズで研究開発が行われ、さらに実用化されます。そして評価された成果を生産学に関する国内外のトレンドと合わせ検討し、生産学の課題を体系的な研究へと転換させるためにドイツで必要となる条件をつくります。同時に欧州レベルで相当する関連イニシアチブのための基礎も固まります。

灯台プロジェクト「E³プロダクション」を通じ、フラウンホーファーはドイツ連邦政府の国家的持続可能性戦略に貢献し、E³プロダクションでの中小企業や大企業のコンピテンスを強化し、フラウンホーファー内の生産技術に関する専門知識を向上させます。

 

灯台プロジェクト「E³プロダクション」の研究領域

プロジェクトは、E³プロダクションを支える4つの戦略テーマから構成されています。

 

1.エネルギー・資源効率の高い生産

この研究領域は超短期プロセスチェーンの設計、実現、評価にフォーカスしており、以下のテーマを対象にしています:

  • 全体のプロセスコンセプトと個別化された製品
  • 革新的な技術や材料、効率の高い生産システム
  • 最新情報通信技術の統合と技術プラットフォームの創生
  • 超短期プロセスチェーンの分類および評価のためのモデル

2.排出ゼロ工場

ここでは材料の循環、エネルギーマネジメント、工場や周辺環境の全体的かつ統合的なコンセプトに注力しており、以下のテーマを対象にしています:

  • 自給自足のエネルギー供給と代替エネルギー源の利用
  • 新たな原材料を用いない生産および閉じたエネルギー・材料ループ
  • 排出ゼロ
  • 都市部のものづくり

3.ひととものづくりの関わり

ものづくりに人間の経験値とイノベーションを生み出す潜在能力をより緊密に結びつけるという研究領域が、3つ目の領域です。情報技術や生産向けのデバイスを利用すれば、人の手でニーズに応じてマスターデータベースから制御ルーチンを開発することができます。また支援システムを利用すれば自動化された生産プロセスに柔軟にアクセスすることができます。この領域では、以下のテーマを対象にしています:

  • 人間工学
  • 生涯にわたる知識・学習・労働
  • 高齢化社会における生産支援
  • 青年層のモチベーションと日常生活
  • ネットワーク化された世界

4.統合

将来を見据えたドイツのものづくり研究を確立させるため、統合プロジェクトでは個々のプロジェクトで得られた知見をまとめるほか、戦略的な調査プロジェクトや目的を定めた全体プロジェクトのコーディネートも中心的課題です。

 

 

連邦教育研究省プロジェクト

プロジェクト期間:
2013年11月1日~2016年10月31日